展覧会

「三国志」(東京国立博物館)

東京国立博物館で開催中の「三国志」展に、遅ればせながら、行ってきました。

後漢末の群雄割拠のなかで鼎立した巍・呉・蜀の三国。

巍の歴史書や、明代につくられた時代小説「三国志演義」のドラマチックでエキサイティングな物語をベースに、2008年に出土した曹操高陵の出土品や漢・三国時代の副葬品、明・清時代の壁画・絵画など、さまざまなアイテムで三国志の世界を紹介する展覧会です。

雑誌『Pen』の8月1日号はこの展覧会に合わせた三国志特集で、私も、三国志をテーマにした絵画や曹操高陵出土の白磁、三国志中心人物の一人の諸葛亮孔明について、原稿を書かせていただきました。

2〜3世紀当時のものは、すでに失われていますが、墓陵に副葬品として作られた土器や青銅器などの出土品からは当時の生活や戦時の様子が見て取れます。

軍馬を模した副葬品も多く、いずれも、勇ましく荒々しく雄々しいのが特徴。
戦国時代は、人も軍馬も強気なのは当然ですよね。

また、神仙世界を表したものも多く、当時の宗教観が分かり、興味深いです。

1800年前の戦国の世の人々の様子が副葬品というカタチで現代の私たちにさまざまな情報を伝えてくれるのは、不思議です。

当人は、後世に墓陵を発掘され、展示されるとは思ってもみなかったのでしょうね。

この展覧会は、個人利用であれば、展示品の撮影ができます。
ヨーロッパの美術館は撮影OKのところが多いですので、日本でも、撮影できる機会が増えると良いですね。

◎日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」
期間:〜9月16日(月)
場所:東京国立博物館

関連記事