展覧会 江戸絵画 若冲イベント

京都・相国寺承天閣美術館で、「伊藤若冲の名宝展」開催中

京都・相国寺承天閣美術館で、「伊藤若冲の名宝展 -相国寺 金閣寺 銀閣寺所蔵-」が開催されています。

相国寺は、14世紀後半、室町幕府第三代将軍・足利義満によって造営された禅宗の寺院で、金閣寺(鹿苑寺)、銀閣寺(慈照寺)は、相国寺派に属する寺院です。

相国寺の住持・大典顕常と若冲との交遊は有名で、その縁もあり、若冲はあの代表作「動植綵絵」三十幅を相国寺に寄進しています。また、当時、画家としてはまだ発展途上にあった若冲が金閣寺の大書院障壁画の全五十面を描くという快挙を成し遂げたのも、当時の金閣寺の住持・龍門承献が大典の文学上の弟子で、障壁画の筆者に大典が若冲を推挙したからといわれています。

そんな、若冲とは縁の深い相国寺にある承天閣美術館での若冲展覧会。重要文化財「鹿苑寺大書院旧障壁画」をはじめ、初期の頃の初々しさが感じられる「牡丹百合図」(双幅)や、「動植綵絵」と同時に相国寺に寄進された「釈迦如来像・文殊菩薩像・普賢菩薩像」、水墨画の傑作など、見どころ満載ではありますが、私がこの展覧会で、ぜひ見てほしいのは・・・。

若冲の肖像画として唯一存在する「伊藤若冲像」。これは、若冲の八十五回忌にあたる明治十八年に、相国寺で行われた大供養と展観の折に、古老の追憶談を元に生前の若冲の風貌を推定して描かれたものです。筆者は日本画家の久保田米僊。有髪有髯で、緑色の衲衣を着て黒い座具の上で結跏趺坐する姿で描かれた若冲像は、在家の僧(居士)として生き、生涯を画業に捧げた若冲にふさわしい、その表情に強い意思とゆるぎない信念を感じさせる作品です。

「伊藤若冲像」(開基足利義満600年忌記念 若冲展 展覧会図録より)

あのすばらしい絵を描き続けた若冲の面影を今に伝える唯一の絵。衣一見の価値ありです。開催期間は9月23日まで。

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