今日は若冲さんの命日。石峰寺の若冲忌の法要に参列しました。
9月10日は若冲さんの命日です。
222年前の1800年のこの日に、満85歳で仏の世界に旅立れました。
お墓があり、埋葬されている京都・伏見の石峰寺さんでは、若冲忌の法要が行われ、今年の若冲忌に、私も参列いたしました。
石峰寺では、春と秋にご所蔵の若冲作品を方丈に掛け、特別観覧が開かれ、命日の9月10日は、秋の展覧期間の最終日となっています。
法要が始まる前に、若冲作品を鑑賞するのも、楽しい一時です。
以前に、雑誌のお仕事で石峰寺さんに取材をさせていただいたことがありました。
その時に、「若冲作品はおいくつくらいご所蔵ですか?」とお聞きしたところ、「秘密です」とおっしゃって(笑)、以来、どのような作品があるのか興味津津で、毎回、この展覧で新たな作品に出会えるのを楽しみにしています。
法要は、本堂で回向があり、黄檗独特の歌うような節回しの読経が行われ、参列者は焼香します。一般の方は、本堂の前で焼香できます。
その後、場所を若冲さんの墓前に移し、ここでも読経の後、焼香をします。
事前に、卒塔婆をお願いしていますので、私の奉納した卒塔婆もお墓の後ろに立て架けてあります。
石峰寺の裏庭には、若冲さんが還暦を過ぎた頃から取り組んだ石仏群があります。
釈迦の誕生から涅槃まで、釈迦の一代記が代表的なシーンごとに石仏で表現されており、若冲さんの生前には、石仏は1000体以上あり、今よりも広大な寺領を持っていた石峰寺の裏庭には、いくつもの谷があり、いくつかの橋を架けたりして、“仏伝テーマパーク”とも言うべき巨大なアミューズメント空間だったそうです。
さまざまな表情をした石仏たちは、ユーモアあふれ、思わず微笑んでしまうそのしぐさや表情に、若冲さんの人柄がよく表れているようです。
若冲さん墓石からは、遠くに京都の街を望む景色が広がります。
空と雲が美しい日でした。
きっと若冲さんも、お空で皆のようすをご覧になっていることでしょう。
来年も、また来ますね!
◎黄檗宗 百丈山 石峰寺
住所:京都府京都市伏見区深草石峰寺山町26