関係者向けレセプションに、作品出品者として参加した同日、プレス向け発表会にも参加しました。
スピーチをしているのは、プーシキン美術館の館長、マリーナ・ロシャクさんです。現代アートがご専門。
今回の江戸絵画展を大変、待ち遠しく思っていたこと、江戸絵画がとてもエキサイティングであることなど、熱心にお話されていました。
ロシアの方が、日本からやってくる“古くて、美しいもの”への期待の高さと、ワクワクした高揚感を感じるスピーチでした。
現地のメディアの数の多さにも、びっくり。
日本でも人気の尾形光琳「風神雷神図屏風」の前には、たくさんのプレス関係者が集まっています。
日本では、よく知られた風の神様と雷の神様ですが、こちらの人には、角があり、いかつい表情のこれらは、キリスト教でいうところの“サタン”のように見えるのではないでしょうか・・。
日本ではカミサマですが、ヨーロッパではアクマに見えるとしたら、解釈が真反対で面白いですね。
若冲さんの「牛図」を撮影する現地メディアの方。
この絵の前で、iPadに若冲さんの晩年の傑作『象と鯨図屏風』(ミホ・ミュージアム)を表示しながら、隣の女性に説明をしていましたので、かなりの“若冲通”とお見受けしました。
ロシアでも、若冲さんは期待大なのですね。
曾我蕭白の「群仙図屏風」も、なかなかエキセントリックな絵なので、こちらの方は、どのような印象を受けたのでしょうか。
鮮やかなブルーの衣を着た仙人が載っているのは、キモ怖い龍ですし。龍はヨーロッパでは「ドラゴン」ですから、こちらも、ダークサイドなイメージを受けるかもしれませんね。
それにしても、蕭白の緻密で新奇な表現には、目を奪われます。仙人の絵なのに少しもありがたくありません。。
屏風がたくさん出品されていました。日本の室内を飾る調度品です。
自然の描写あり、京の都市の賑わいあり、とバリエーションが豊富です。
江戸初期の風俗画の巻物も人気です。昔の日本人の暮らしも興味深いのでしょう。私ももちろん、興味あります。
江戸絵画が日本とロシアの文化を結ぶ架け橋になる様子を目で拝見できて、とても嬉しいです。