展覧会

「CELADON―東アジアの青磁のきらめき」展は、青磁の名品オンパレード

大阪・中之島公園内にある大阪市立東洋陶芸美術館では、「CELADON―東アジアの青磁のきらめき」展が開催中。

国宝「飛青磁 花生」 中国・元(14世紀)。江戸時代の大坂の豪商・鴻池家に伝わった

青磁彫刻 鴛鴦蓋香炉」高麗(12世紀)

東洋陶芸美術館は、「安宅コレクション」(旧安宅産業株式会社が収集した、中国陶磁144件と韓国陶磁793件を中心とする965件に及ぶ東洋陶磁コレクション)を住友グループから寄贈されたことを記念して大阪市が設立した施設です。
東洋陶芸美術館のコレクションは、5,700件以上を数え、うち国宝2件、重要文化財13件を所蔵しています。

重要文化財「青磁象嵌 童子宝相華唐草文 水注」高麗・12世紀後半〜13世紀前半

今回は、「CELADON」(青磁)というタイトルからも分かる通り、東洋陶芸美術館所蔵の中国や韓国、日本の“青の名品”が一堂に介します。
個人的には、「青磁」が大好きなので、かなりテンション高めで館内を巡りました。

「青磁劃花 鴛鴦文 水注」北宋(10〜11世紀)越窯

「緑釉 楼閣」後漢(2〜3世紀)安宅コレクション。権力者たちは来世でも現世と変わらぬ暮らしを願い、明器を墓に副葬した。この楼閣は四階建ての当時の最先端の木造構想建築

「白青磁 瓜形水注」北宋(11世紀/景徳鎮)安宅コレクション

青磁は、微量な鉄分を含んだ釉薬をかけて、高温で焼くことで青緑色に発色させた陶磁器です。2世紀の中国で誕生し、その後、発展を遂げながら朝鮮半島や日本をはじめ、世界各地へと広まりました。

「青磁花劃 雲紋 双耳壺」北宋(11世紀)甌窯

「青磁 果実型連盒」五代〜北総_(10〜11世紀)越窯

青磁の魅力はその美しい釉色にあります。一言で“青磁”といっても、焼成環境や胎土の色などによって色合いは微妙に変化し、多様で豊かな表情を生み出します。

「灰釉 印文 壺」後漢(1〜2世紀)

私の好きな色合いは、海をを想像させるエメラルドグリーン。小さな器でも、その美しい表情を見ていると、緑の世界が目前に広がり、吸い込まれそうになります。

青磁のほか、唐時代の唐三彩や婦人俑、12世紀の黒釉刻花など、各時代の名品も揃っています。

「加彩 婦人俑」唐(8世紀)安宅コレクション

唐時代の婦人俑は、富を象徴するふっくらと豊満なスタイルが特徴。本来、左手には止まっていたようで、そのさえずりに耳を傾けるように首をややかしげている。彩色はほとんど落ちてしまっている様子ですが、かえってこの像のシルエットの美しさが際立っています。

「三彩貼花 宝相華文 壺」唐(7〜8世紀)安宅コレクション

「黒釉刻花 牡丹文 梅瓶」北宋〜金(12世紀)安宅コレクション

◎「CELADON―東アジアの青磁のきらめき」
場所:大阪市立東洋陶芸美術館
期間:2025年11月24(月)まで

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