大阪・中之島公園内にある大阪市立東洋陶芸美術館では、「CELADON―東アジアの青磁のきらめき」展が開催中。


東洋陶芸美術館は、「安宅コレクション」(旧安宅産業株式会社が収集した、中国陶磁144件と韓国陶磁793件を中心とする965件に及ぶ東洋陶磁コレクション)を住友グループから寄贈されたことを記念して大阪市が設立した施設です。
東洋陶芸美術館のコレクションは、5,700件以上を数え、うち国宝2件、重要文化財13件を所蔵しています。

今回は、「CELADON」(青磁)というタイトルからも分かる通り、東洋陶芸美術館所蔵の中国や韓国、日本の“青の名品”が一堂に介します。
個人的には、「青磁」が大好きなので、かなりテンション高めで館内を巡りました。



青磁は、微量な鉄分を含んだ釉薬をかけて、高温で焼くことで青緑色に発色させた陶磁器です。2世紀の中国で誕生し、その後、発展を遂げながら朝鮮半島や日本をはじめ、世界各地へと広まりました。



青磁の魅力はその美しい釉色にあります。一言で“青磁”といっても、焼成環境や胎土の色などによって色合いは微妙に変化し、多様で豊かな表情を生み出します。


私の好きな色合いは、海をを想像させるエメラルドグリーン。小さな器でも、その美しい表情を見ていると、緑の世界が目前に広がり、吸い込まれそうになります。

青磁のほか、唐時代の唐三彩や婦人俑、12世紀の黒釉刻花など、各時代の名品も揃っています。

唐時代の婦人俑は、富を象徴するふっくらと豊満なスタイルが特徴。本来、左手には止まっていたようで、そのさえずりに耳を傾けるように首をややかしげている。彩色はほとんど落ちてしまっている様子ですが、かえってこの像のシルエットの美しさが際立っています。





◎「CELADON―東アジアの青磁のきらめき」
場所:大阪市立東洋陶芸美術館
期間:2025年11月24(月)まで
