展覧会

大阪で「NEGORO 根来 - 赤と黒のうるし」展を拝見しました

下地となる木地に黒漆の中塗りをほどこし、その上に朱漆を上塗りしてつくられる「根来」の見どころは、長年の使用によって表面の朱漆が摩滅して、下に塗られた黒漆があちこち出現することで生まれる趣ある表情です。

そんな魅力あふれる根来の展覧会が、大阪市立美術館で開催中です。

「根来」の語源は、かつて大寺院としてその名が知られた根来寺(和歌山県岩出市)で漆器が作られていたとする伝承から、後世にこの名が付いたといわれています。

根来は、制作された時代や用途、使用頻度などによって摩耗の様子に違いが生まれ、さまざまな様相で現代の私たちの目を楽しませてくれます。
そして、「用の美」(日常使われる道具には、使うことによって自然と生まれる美がある)をここに見出すこともできます。

「輪花盆」大阪市立美術館(田万コレクション)

鎌倉時代から始まり、南北朝、室町、江戸、近代、現代まで、さまざまな時代の根来が揃うこの展覧会。
器としての造形の美しさ、朱漆の色あい、朱漆の下から顔をだす黒漆のバランスなど、チェックポイントが多く、根来好きにはたまりません。

「瑠璃の浄土」杉本博司(2005年/小田原文化財団)

経年が生んだ、朱漆と黒漆の奇跡のマリアージュをぜひ、ご堪能ください。

◎NEGORO 根来 - 赤と黒のうるし
場所:大阪市立美術館
期間:2025年11月9日(日)まで

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