「古美術 景和」では、伊藤若冲の水墨画をはじめ、曾我蕭白、白隠、隠元などの水墨画や墨蹟を扱っています。
紙に墨という白・黒・グレーのモノトーンの表現は、シンプルですが画家の思いがダイレクトに伝わる面白さと奥深さがあります。
一方、パレットの上で無限の色彩を作り上げ、キャンバスに色を重ねることでさらに多様な色彩と濃度で表現する油絵も、水墨画・墨蹟とは真反対の絵画表現として興味があります。
そこで、それらの絵を見るために、パリのルーブル、オルセー、オランジュリーの各博物館巡りをしてきました。
せっかくのフランスですから、西海岸はサン・マロ湾に浮かぶ世界遺産「モン・サン=ミッシェル」に足をのばし、小島の上にある修道院も見てまわったのですが、修道院内のお土産コーナーに、馴染みの絵柄が・・。
なんと、伊藤若冲の「動植綵絵」の「群鶏図」柄のタペストリーとクッションがありました。
モン・サン=ミッシェルの島内にあるいくつかのお土産店にも、タペストリーやクッションは売られていましたが、若冲の「群鶏図」柄は修道院内で販売されているのみでした。
果たして、いつ、どなたが若冲の「群鶏図」を参考にこれらのアイテムを製作し、いつ頃からモン・サン=ミッシェルで販売されているのか。
日本のみならず、ここフランス西海岸でも人気があるとは、さすが若冲です。フランスの地で若冲に出会えるとは思っても見ませんでしたが、楽しい発見でした。