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若冲さんゆかりの相国寺承天閣美術館では、「若冲と応挙」展が開催中です。
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若冲さんが相国寺に動植綵絵とともに寄進した「釈迦三尊像」は、鮮やかで華やかで、明るいエネルギーに満ちていて、若冲さんが、丁寧に心を込めて描いているのがよくわかります。
その場が光で照らされている感じがして、この絵の前に座って、何時間でも観ていたいです。
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第一展示室にある茶室では、没85年に合わせて描かれた「伊藤若冲像」(久保田米僊)が掛けられています。
小さい絵ですので、見逃してしまいそうですが、没後、かなりたってから描かれたにもかかわらず、この絵が若冲さんの肖像画のベースになっていることを考えると、無視できません。
願わくば、もっと若い頃の若冲像を見てみたいのですが・・・。
さて。この展覧会の見どころは、応挙の「七難七福図巻」。
滋賀の円満院の祐常法親王のオーダーのもと、『仁王経』に説かれた災いと幸いを応挙が3年の歳月をかけて描き出した画巻です。
依頼者の祐常の下絵(絵がとてもお上手!)や、それを受けて描かれた応挙の画稿、そして完成した大作の絵巻が展示されています。
下絵→画稿→完成作を比較してみると、祐常の持っていた具体的なビジュアルイメージや、それを膨らませて物語を形成した応挙の構想、そこからさらに完成までに変更した箇所などが分かり、かなり面白いです。
第一期、第二期とあり、展示替えがありますので、第二期も楽しみ!
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◎若冲と応挙
相国寺承天閣美術館
第一期:〜11月12日(日)まで
第二期:11月19日〜2024年1月28日(日)
https://www.shokoku-ji.jp/museum/exhibition/jakuchu-ohkyo/