「美術」という言葉が誕生したのは、明治時代のこと。
江戸幕府が倒れ、西洋文明が流入したこの時代は、それまでの価値観が大きく変わり、油彩画が普及し、工芸では、欧米好みの華麗な装飾を施した磁器や金工がつくられ、国内外の博覧会へ出品したり、海外へ輸出されたりしました。
明日から静嘉堂@丸の内で開催の「明治美術協奏曲」展では、そんな激動の時代に誕生した名作の数々を観ることができます。
静嘉堂文庫といえば、三菱の第二代社長・岩崎彌之助によって1892年(明治25)に創設され、第四代社長・岩崎小彌太とともに蒐集した東洋美術品が特徴です。
あの有名な「曜変天目茶碗」もこちらにあります。
さて。今回は、「明治美術協奏曲」のタイトルどおり、明治に活躍した画家、作家の名品を観ることができます。
全時代までの美的価値を大きく揺さぶられた明治の美術は、作り手も正解が分からず混沌とした状況下で迷いながら生み出されたのでは?と感じるものもありますが、この展覧会では、個人的に好きな河鍋暁斎や柴田是真の作品もあり、高い技術と精巧な表現が見事な金工も見応えあります。
明治を象徴する表現が技法を愉しむ機会として、ご覧になってください!
ミュージアムショップには、「曜変天目」のぬいぐるみがありました。
一日10個限定で、即売だそうです。
見本を触ってみたところ、ふわふわしていますが、窯変の表情はリアルな感じがあって、面白いです。完売するのも分かりますね。
◎「特別展 明治美術協奏曲」
会場:静嘉堂@丸の内
期間:2023年6月4日(日)まで