「ダミアン・ハースト 桜展」。
ダミアン・ハーストといえば、イギリスを代表する現代美術作家ですが、動物たちを切断してホルマリン漬けにした作品があまりにも印象的で、正直、苦手でした。
一方、そのハーストが描く桜はどんなものだろうかと興味を持ち、内覧会にいそいそと参加。
ハーストの最新作「桜」シリーズ107点の中から、作家自身が選んだ大型作品24点(2018年から2019年に描かれたもの)が展示されています。
巨大なキャンバスに展開されたピンクや赤、緑や紺のぼってり&ぎとぎとしたマチエールは、「桜」と言われればそうなのでしょうが、正しくは桜色の絵の具の集まり、という感じです。
岩絵の具で表現する日本画の桜は、かれんで、すぐに散ってしまう桜の花の儚さや神秘的な美しさが感じられますが・・・。
ハーストの桜は、見たことのない国で咲く、みたことのないピンクの花木のようです。
真っ白い空間と相まって、不思議の国に迷い込んだ感じがしました。
◎ダミアン・ハースト「桜」
国立新美術館
期間:2022年5月23日まで