リニューアルオープンしたサントリー美術館の「ART in LIFE, LIFE and BEAUTY」展の内覧会に参加しました。
「生活の中の美」(Art in Life)を基本理念に、収集・展示活動を行ってきたサントリー美術館が、リニューアル後初のこの展覧会で展示するのは、その基本理念に立ち返り、日常使う調度品や道具、いわゆる生活を彩ってきた華やかな優品の数々です。
酒器や婚礼道具、屏風や着物など、当時の人々の美意識と職人たちの巧みな技術が存分に楽しめます。
個人的には、異国趣味あふれる、桃山時代の南蛮屏風や南蛮漆器が好みです。
国際色豊かで派手やか、エネルギッシュなパワーにあふれる桃山の文化はとても魅力的で、この時代に創造された美の数々は、その時代性をよく表しています。
西洋の陰影法や遠近法を用いて日本人画家が描いた「泰西王侯騎馬図屏風」は、西洋の銅版画を参考にしたもの。
一見、油絵のようですが、紙に日本の絵の具で描かれているので、厚みはなく、スッキリとした印象。
西洋画っぽく、一生懸命に描いた当時の画家の努力が偲ばれます。
「IHS桜橘桐螺鈿蒔絵書見台」は、黒漆塗りにイエズス会を示す紋章とその周囲に桜、裏面に桐を描く、書見台(聖書を乗せる台)。
キリスト教の宗教用具を日本の漆技術と日本の草花で表現していて、日本の職人魂を見ている感じがします。
大切に次代に継がれながら、現代に伝わる古の美しきものたち。
その魅力は、今も尽きることがありませんね。
◎展覧会
リニューアル・オープン記念展 Ⅰ「ART in LIFE, LIFE and BEAUTY」
期間:2020年7月22日(水)~9月13日(日)
場所:サントリー美術館