日本の古代美「縄文展」を見に、東博に行ってきました 東京国立博物館の「縄文展」に行ってきました。
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彫刻のような複雑な造形の火焔土器や、ゴーグルを付けた宇宙人のような遮光器土器は有名ですが、実物を見たのは、初めてでした。
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フランスで開催中の日本の文化芸術イベント「ジャポニスム2018」のプレスツアーで、取材をした展覧会「深みへ展」(ロスチャイルド館)にも火焔土器が出品されていましたが、この展覧会で拝見した縄文土器は、力強さや躍動感に溢れていました。
拝見する前は、縄文土器=「アニミズム」「シャーマニズム」のような想像をしていましたが、実物の土器からは、そういった精神的なものはあまり感じませんでした。
例えば、深鉢型土器などは、造り手のセンスが存分に発揮された、パワフルなアート系家具や工具を見ている感じです。装飾美に満ちていながらも、質実剛健なモノ、という印象。
火焔土器や深鉢型のように、大胆なデザインと複雑な造形をもちながらも、ススの跡があり、実際の煮炊きに使用した形跡のある日用品。
今から約5000年以上前から“”用の美”が息づいていた、ということでしょうか
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さて。今日、気付いたのですが、東博の表慶館の玄関左右に鎮座する獅子は、向かって右は口を開いている「阿形」で、左は閉じている「吽形」です。
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表慶館は、ジョサイア・コンドル氏の弟子で、現在の迎賓館を手がけた宮廷建築家の片山東熊氏が手がけ、明治42年(1909)に開館した、この時期を代表する洋風建築です。
獅を阿吽像にしてしまうあたり、日本っぽいですね。
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6つの国宝「火焔型土器」「縄文のビーナス」「縄文の女神」「仮面の女神」「合掌土偶」「中空土偶」をはじめ、重文も多く出品されている「縄文」展。見ごたえ充分です。
◎「縄文」
場所:東京国立博物館 平成館
期間:〜9月2日(日
時間:9;30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
ただし、金・土曜は21,00、日曜は18:00まで