1月26日より東京都美術館で「エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」が開催されます。本日は、その内覧会に行ってきました。
この展覧会では、ウィーンのレオポルド美術館が所蔵するシーレの作品50点のほか、クリムト、ココシュカ、ゲルストルをはじめとする同時代の作家の作品もあわせて、約120点の作品をが出展されます。
世紀末ウィーンで活躍した、早熟で夭逝の天才画家・エゴン・シーレ(1890-1918)の早期から最晩年までの作品を観ることができる、貴重な機会です。
ポスターにもなっている、ほおずきを背景にした自画像は有名ですが、実際に見てみると、厚塗りではなく、とても丁寧に繊細に描かれています。
当時の恋人を描いた絵とペアのようです。だからでしょうか。スカしたよそ行き顔の肖像画、という感じがします。
同室に飾られている、別の肖像画のほうが彼の心情が出ているようで、面白いです。
シーレの画家としてのキャリアは輝かしいものです。
16才で学年最年少で特別扱いでウィーン美術アカデミーに入学し、17才で出会ったクリムトにその才能を高く評価され、19才ですでにマティス、ムンク、ゴッホらの巨匠とともに作品が展示。
仲間とともに「新芸術集団」を結成すると、卒業を待たずにアカデミーを去り、以降、以降、独自の表現で高い評価を得て、26才で亡くなるまでの10年をダダーっと駆け抜けます。
初期から最晩年の作品を見ると、“短期決戦”を覚悟のうえ、この世に画家として生まれて、要件を済ませてササッとあちらの世界へ戻ってしまった、という感じがします。
シーレにとって、10年は短すぎるのではなく、十分な時間だったのかも、と思わせるほど、完結している印象があります。
ぜひ、今度はウィーンまで足を運んで、思う存分観たいですね。
◎レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」展
会場:東京都美術館
期間:4月9日まで
※日時指定予約制