本日発売の『月刊 文藝春秋』(10月号)に、美術家の横尾忠則さんについて執筆させていただきました。
東京都現代美術館で大規模個展が開催中のヨコオさんは、今年でなんと85歳。
数年前より難聴や腱鞘炎を患い、身体的な不調と向き合いながらも大作を描き続ける姿からは、“描かずにはいられない”という芸術家としての創造への熱い想いが感じられます。
ブログでは、昨年5月より、これまでに描いた肖像画にマスクを着けた「with CORONA」シリーズ(後に“without CORONA”と改題)を展開していて、そこにはヨコオさんのユーモアと風刺、コロナ克服への期待が込められているように思います。
「最近は絵を描くのがすごく嫌いになってきて、いやいや描いているのだけれど、いやいや描いている絵を見てみたいという好奇心があって、そのためにまた描く、その繰り返し」というコメントは秀逸。
自身がメディアとなってさまざまな形で露出をしてきたヨコオさんは、作画への興味と同時に、どこまでも自分への関心も失わない、永遠の少年のようです。
◎『月刊 文藝春秋』(10月号)
巻頭カラーグラビア「パンドラの函を開けた 横尾忠則」
2021年9月10日発売/文藝春秋