若冲さんの作品を掛けて楽しむ夏季の「若冲茶会」を開催いたしました。
今回は、若冲さんの「竹に雄鶏図」を掛けて鑑賞。茶懐石をお出しして、しばし若冲ワールドに浸っていただきました。
宝暦10年(1760)、若冲さんが45歳頃に描いた、初期作品です。
竹の描き方や雄鶏の表現などには、初期らしい実直さが見られ、後の鶏の姿に見られる剽軽な表現は表出していませんが、竹のスッと上に伸びた表現や、竹の根の丸い形状、漆のような黒の美しい墨で太筆で描かれた鶏の尾羽根など、見どころがたくさんあります。
よく見ると、口を明けた雄鶏の舌もチラッと描かれています。
元は押絵貼屏風の一扇だったものを後世に軸装にしたもので、通常の若冲さんの水墨画作品よりも、二回りほど大きなサイズ。迫力があります。
さて。主菓子は、いつも若冲オリジナル和菓子の制作をお願いしている「菓人 結人」に、若冲さんの家業である青物問屋にちなみ、夏野菜の練りきり。
今回は、「かぼちゃ」を作ってもらいました。
夏野菜をメインに茶懐石も用意しました。
とれたての新鮮な野菜を選ぶのも、この時期の若冲茶会の楽しみです。
◎茶懐石
向付:鯛の昆布締め、ヒラマサの刺身
飯碗:宮城産ひとめぼれ(胚芽米)
汁椀:焼き茄子の味噌汁
椀物:とうもろこしのしんじょう
焼物:サワラの味噌漬
預鉢1;ゴボウと人参のごま和え
預鉢2:パプリカのマリネ、じゃがいものサラダ
香物:大根、きゅうり、ズッキーニ、人参の浅漬
甘味:冷やしぜんざい
次回は、秋季を予定しています。