悟りを得ることの難しさを暗喩する、南天棒のシンボル的画題

 

 

托鉢に出向く多くの雲水(修行僧)と、托鉢から戻ってくる雲水。
南天棒はこの画題をいくつも描いており、人気のテーマだったことがうかがえます。この作品は、落款に「八十四翁 南天棒(花押)」とあることから、晩年の大正11年(1922年)作と分かります。

賛は「四海雲水 鉢盂如雷 烏藤圓笠 化幾村歸」。読みは「烏藤(うとう)に円笠、化して幾(いくばく)か村に帰するや」。

意味は、
「この世界にある雲水たちが、それぞれに托鉢の声をあげる。それはまるで雷のように高らかだ。 出家の後の、古びた杖に円い笠の雲水姿。果たしてこのうち何人が、姿かたちだけではなく、悟りを得て真の禅僧となって故郷の村に帰るのであろうか」。

南天棒の通称のとおり、南天の棒を持ち、厳しい教えで有名な南天棒が、若い雲水たちが立派な将来、立派な僧侶になり、勤めを果たすことを願いながらも、その難しさを苦慮する心情が表れる賛。

マンガのようなキャラクターと、行って帰ってくる姿が愛らしいですね。

作家名 中原南天棒(鄧州全忠)
作品名 雲水托鉢
時代 大正11年(1922年)
紙本墨画
本紙寸法 129.0 ✕ 32.2 cm
総丈 198.3 ✕ 45.8 cm
四海雲水 鉢盂如雷 烏藤圓笠 化幾村歸
落款 八十四翁南天棒(花押)
印章 「南天棒」(関防印/白文長方印)、「白崖窟」(白文方印)、「鄧州」(朱文方印)、「鄧州」(游印/朱文印)
付属 合箱
価格  売約済