追い風を受けるダンディな雄鶏は、まるで若冲自身の姿

 

追い風を後ろから受け、前方をみつめる雄。
柳の葉がゆれる様子や、雄の羽根が後ろから前に強く揺れる様子から、強い風が吹いているようです。

小高い丘のような場所に立つ姿には、若冲さん自身が投影されているのかもしれません。

そういえば、若冲さんが晩年を過ごした京都・伏見の石峰寺も丘の上にあります。京都市街を遠くに眺める彼の地で、生前の若冲さんは、この雄鶏のように物思いにふけっていたのでしょうか。

風になびくしなやかな尾羽の表現や、根元の花びらのような描写も大変美しく、叙情溢れる素晴らしい作品です。

 

作家名 伊藤若冲
作品名 柳に雄図
時代 江戸時代(18世紀)
紙本墨画
本紙寸法 108.8 ✕ 34.3 cm
総丈 201.0 ✕ 48.5 cm
印章 「藤汝鈞印」(白文方印)、「若冲居士」(朱文円印)
付属 合箱
価格 売約済