伊藤若冲 美しく愛おしい

若冲さんも描いたクマバチ、大忙し

若冲さんは「虫」を主題にしたり、花や蔬菜と虫を組み合わせたりした作品をいくつか描いています。

初期作品で32歳から36歳頃に描いたとされる双幅の「牡丹・百合図」(慈照寺)では、「百合図」の百合花の上にとまり、前脚をチョンと乗せてこちらを見つめるクマバチと、百合の花の中に頭部を突っ込んで、お尻を見せるもう一匹が描かれています。

また、40代初めから10年あまりをかけた畢生の大作「動植綵絵」のうち、40代後半に描かれたとされる「池辺群虫図」では、ヘチマの白い花の上に乗って、こちらを見つめています。

そして、明和5年(1768)、53歳の時に刊行された拓版画の「玄圃瑤華」の「ヒョウタン」では、ヒョウタンの実の上にやはりクマバチが止まっていて、こちらを見ています。

この3点は、それぞれ、30代、40代、50代の作品で、初期の「百合図」から「玄圃瑤華」までは、20年あまりのタイムラグがありますが、いずれも同じ形状のクマバチであることから、同一の下絵を用いたことが想定されます。

若冲さんも、庭にやってきたクマバチが必死に蜜を吸う姿を楽しそうに眺めていたのでしょうね。

我が家のクマバチを眺めながら、若冲さんの目に写ったであろう、生き物たちの姿を追体験できるのは、とても楽しいです。

それにしても・・・。このクマバチ、ビロードみたいな、つやつやのカラダをしています。なんだか、撫でてみたくなります・・・。

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