雑誌『Pen』のARTコラムで、円山応挙について紹介しました。

雑誌『Pen』の「ART」コーナーで、展覧会の紹介記事を執筆いたしました。

◎Pen sellection ART(Penが選んだ今月のアート)
『円山応挙から近代京都画壇へ』

ご紹介したのは、東京藝術大学大学美術館で開催の「円山応挙から近代京都画壇へ」展。
江戸中期の18世紀、京で活躍した円山応挙とその弟子たち、さらに近代に続く円山派・四条派の画家たちの作品を集めた展覧会です。

見どころは、「応挙寺」とも呼ばれる兵庫・香住の大乗寺の障壁画。
最晩年に応挙が手掛けた孔雀の間の「松に孔雀図」は、金箔に墨で描いた大作です。
大乗寺には応挙とその門弟たちによる165面の障壁画が収められているのですが、この展覧会を拝見すると、実際に大乗寺に伺い、その空間とともにきちんと観てみたいという欲求に駆られました。
また、応挙の描く美人画は、気品あふれる面貌が特徴的ですが、近代の美人画の大家・上村松園の美人画と比較すると、松園が応挙の影響を受けているのが見て取れます。
伊藤若冲とも同時代、同地域で活躍した円山応挙とその弟子たちの素晴らしい作品に出会える展覧会です。

●「円山応挙から近代京都画壇へ」展
場所:東京藝術大学大学美術館
期間:9月29日(日)まで
 
◎執筆概要
pen SELECTION / ART[アート]
いま最も気になる18世紀絵画を、応挙とその潮流から見直す。(131頁)
 
Pen
特集:英国の流儀。
発売号:2019/9/1号(NO.480)
発行:2019年8月16日
発行所:CCCメディアハウス