勢いのある筆致で松を描き、その下に雄鶏を描いた作品です。
雄鶏の鋭い表情や松の特徴的な表現が、雄々しく、激しい印象を与えます。
雄鶏の羽の一部を「筋目描き」、濃墨で立派な尾羽根を描いています。
若冲さんは、鶏と多種多様な草木との組み合わせを描いています。
例えば、水墨画では梅や柳、彩色画では南天や紫陽花、棕櫚、芙蓉、南天など。
その組み合わせによって、作品の印象は華やかにもたおやかにも変わります。
水墨画での松の表現は若冲さん特有の力強い表現が魅力ですが、そこに描かれる鶏も同じく雄々しい印象を受けます。
この作品も、生命力あふれる松葉の下で見得を切る雄鶏は“イケメン”で、つい目を奪われてしまいますね。
〈展覧会出品 履歴〉
●東日本大震災復興祈念「伊藤若冲展」(福島県立美術館)/2019年3月26日~5月6日
作家名 | 伊藤若冲 |
作品名 | 松に雄鶏図 |
時代 | 江戸時代(18世紀) |
材 | 紙本墨画 |
本紙寸法 | 102.7 ✕ 28.8 cm |
総丈 | 172.0 ✕ 41.3 cm |
印章 | 「藤汝鈞印」(白文方印)、「若冲居士」(朱文円印) |
付属 | 合箱 |
価格 | 売約済 |