大胆な筆致でデフォルメしたユニークな雲龍

 

 

蕭白の描く龍といえば、「群仙図屏風」(文化庁)の青い衣を着た仙人を肩に乗せる龍や、中国の龍図の画風に倣い全体像が精緻に描き尽くされた「龍図」(滋賀・石山寺)、大胆な構図やクローズアップされた龍頭の迫力に度肝を抜かれる「雲龍図」(ボストン美術館)などが有名です。

この作品は、それらとは趣を異にし、墨の濃淡を活かし、スピード感をもって描いたデフォルメの効いた龍図。

眉が眼にかかった“情けない”表情は、前述の「群仙図屏風」や「雲龍図」にも通ずる表現で、「龍=強い生き物」という概念をあえて覆す、蕭白の洒落が感じられる愉快な作品です。

作家名 曾我蕭白(そがそうはく)
作品名 雲龍図
時代 江戸時代(18世紀)
紙本墨画
本紙寸法 31 ✕ 43.5 cm
総丈 111.5 ✕ 55 cm
印章 「祐邨」(白文方印)
価格 売約済