『Pen』の「アラブは、美しい。」特集号(2018年2/1号)が書籍化され、PenBOOKSシリーズとして発売されました。

私も、陶器や金属器、ガラスなど、アラブ地域で発達した工芸品の魅力について書かせていただきました。

東西交易の要として繁栄し、多彩な工芸品がつくられたアラブ地域。
モスクなどの宗教施設では、人物や動物の姿を表現するのは禁じられているため、精緻な幾何学模様やコーランに代表される写本芸術などが有名ですが、一方で、日常使いの工芸品には、人や動物の姿が自由に豊かに表現されたものも多くあります。
金、銀、青銅、真鍮などの金属に精巧な象嵌を施した水差しや洗礼盤、ローマやペルシアのガラスの伝統を受け継いだガラス器など、この地域で発展した工芸品は見応えがあります。

個人的にも興味があり、UAEに二度、モロッコに一度訪れたことがあります。
ドバイの街角では男女が一緒に歩く姿はあまり見られず、集団行動は、「男性チーム」、「女性&子供チーム」に分かれいて、食堂では、男性チームが1階、男女が同席する場合は、上階にある「ファミリールーム」を使用。2階のファミリールームに通されるのが常でした。

街中で水タバコを吸うご老人たち、目だけを出して顔を隠す衣装を纏ってショッピングする女性たち、祈りの定刻になると敷物を片手にモスクにわらわらと集まる男性たちなど、日常の何気ないシーンを見聞するのも旅の楽しみの一つ。

状況が落ち着き、海外渡航が自由にできる日が来ると良いですね。

◎PenBOOKS
「アラブは、美しい。」
2020年12月発売/CCCメディアハウス