前号に続き、『美術の窓』(8月号)の連載「墨縁談義」では、景和コレクションの伊藤若冲「鯉図」と「大根図」を取り上げ、その水墨描法について美術史家で水墨画がご専門の島尾新先生(学習院大学文学部教授)とご一緒に、あれこれと談義をさせていただきました。

「鯉図」では、景和の本図と、東京国立博物館が所有する「鯉図下絵」とを比較して、下図に描かれている鯉の体の二本の線の部分が実際の「鯉図」では、どのような水墨表現になっているかなどを追求しています。

また「大根図」では、葉の部分に表現されている「筋目描き」の描写の手順やその効果、筆の運びなどについても紐解いています。

『美術の窓』8月号
発行: 生活の友社
定価:1,676円(税込)