伊藤若冲

伊藤若冲「双鶴図」

紙本墨画 1796年


◎解説

鶴は若冲の得意とする画題で、作例が比較的多く残っています。この作品は、二羽の丹頂鶴が描かれており、手前の鶴は斜め上方を見つめ、後ろにいる鶴は片足で立ち、正面を向いています。 落款には「米斗翁八十一歳画」とあり、若冲晩年の作ですが、流麗で流れるような曲線で生き生きと描かれた鶴の描写には、熟練味というよりは“初々しさ”さえ感じます。 若冲の初期の鶴図といえば、宝暦九年(1759)、四十代半ばで描いた大作、鹿苑寺大書院障壁画の二の間「松に鶴図」がありますが、この作品と大書院のそれとを比べてみても、四十年の隔たりを感じさせません。 賛は京都の儒学者・村瀬栲亭(1744−1819)による「暁風対舞青天雲 夜月相呼琪樹霜」。 2010年に千葉市美術館と静岡県立美術館で開催された特別展「伊藤若冲 アナザーワールド」の展覧会図録の図版No.94「双鶴図」にこの作品と同じ構図が見られます。 尾羽と風切羽を濃墨と淡墨でリズミカルに描き、晩年になってもなお意気盛んな若冲の作画へのエネルギーを感じる作品です。

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作家名

伊藤若冲

作品

双鶴図

作品番号

J-6

印章

「藤汝鈞印」(白文方印) 「若冲居士」(朱文円印)

時代

寛政八年(1796)

本紙寸法

120.2×29.8 cm

総丈

198.5×31.8 cm